テーマ:建武の中興

逆説の日本史 (その一)

十月に出た井沢元彦氏の『逆説の日本史』第16巻「江戸名君編-水戸黄門と朱子学の謎」を読んだ。  江戸時代の学問を高く評価している自分としては、大変興味深く読ませていただいた。  このシリーズを読み始めて、すでに十年以上になる私だが、改めて、このシリーズは面白い、と感じた。  最近は『週間ポスト』連載のほうは、目を通さなくなってい…
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建武の中興 (その七)

 建武の中興なくして、明治維新なし。  明治維新なくして、近代日本なし。  近代日本なくして、有色人種の白色人種の差別的支配からの解放なし。   「後醍醐帝なくして明治大帝なし」という評価が動かしがたい事実であることと同じ意味において、「建武の中興なくして明治維新なし」と言うのも動かしがたい事実である。  岩倉具視が王政復古…
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建武の中興 (その六)

 後醍醐天皇は、在位中、限定的ながらも彼が施した善政に手ごたえを感じていたはずである。その手ごたえを胸にして、天皇は、武家階層の権益の保護者として、それに干渉を加えようする幕府の排除に乗り出したと考えて、何の不都合もあるまい。  そこには必然的に危険と失敗が伴った。  天皇の討幕と、三年間の親政の動機はあくまでここにあるのである。 …
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建武の中興 (その五)

 高師直に象徴される横暴な武士は反歴史的人間である。  それはつまり非人間的であることと同義である。  武士の勃興以来、彼のような人間が力を得て、旧来の伝統、権威を破壊していく大勢にあったのは、北条得宗体制の崩壊によって、バサラ大名達が群がり起こって、後醍醐天皇の政治を崩壊させ、やがて足利義満の天皇家乗っ取り、応仁の乱を経て、戦国時…
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建武の中興 (その四)

 史料的裏づけが豊富で、一見堅牢な佐藤進一の『南北朝の動乱』であるが、綻びがあるとすれば、次の記述だろうか。 「・・・(高)師直らの古い秩序と権威の否定は、かれら自身の力にたいする信頼によって裏打ちされているのである。軽薄で反倫理的ですらあるかれらの言動の中に、人間肯定の激しい息吹をきくことができる。」  この幼稚で粗暴な人…
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建武の中興 (その三)

 先日の第一七三臨時国会の所信表明演説で、鳩山由紀夫首相が、自身がこれから取り組む政治を「無血の平成維新」と表現したそうだ。  新たな改革の必要性が高まるたびに、引き合いに出されるこの維新という言葉。  実際に維新を経験した人々がこの言葉に込めた実感、それは重層的に積み重なってきた日本の歴史、伝統の重みをずっしりと背負いながら、自己…
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建武の中興と明治維新 

 (『新西郷南洲伝』上巻より参考のため抜粋)  日本の歴史において、この諸葛孔明と同じ位置にいる人物が、楠木正成であった。  実は南洲が今回の挙兵の教科書として酌んだのが、この楠木正成の事跡だったのである。楠木正成のエピソードは、南北朝の動乱を描いた『太平記』により、日本人に親しまれてきた。 南洲は、直接か間接かは分からな…
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建武の中興  (その二)

 三年前出版した『新西郷南洲伝』の上巻において、王政復古討幕の事業を叙述する上で、その下敷きとして「建武の中興」に触れておく必要がった。しかし、今、改めて「建武の中興」を振り返ってみて、その記述には、重要な点で未熟さがあったことに気づかされた。  当時あとがきに書いたように、未熟な議論が含まれていることは承知の上で、従来の維新像に疑問…
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建武の中興 (その一)

 「チャンネル桜の情報戦」(その七)である。  チャンネル桜の情報戦が、建武の中興の英雄楠木正成の戦いになぞらえられるべきものであり、その伝統が生きていることを述べるために、「建武の中興」について書いている。  網野善彦によれば、建武の中興について、村松剛がかつて「後醍醐帝なくして明治大帝なし」という評価を下したという。  網…
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チャンネル桜の情報戦 (その六)

 最近、このブログを随筆を書くような姿勢で書いているので、興味が脇道にそれがちで、なかなか本題に移れずにいる。  ここで本題としているのは、チャンネル桜の戦いの背後にある伝統、すなわち、楠木正成(建武の中興、新政とも言う)-西郷南洲翁(王政復古維新)-大東亜戦争という、左翼がかった人たちに否定されがちな、一連なりの伝統のことである。 …
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