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zoom RSS 他国侵略のスローガンというのは本当か 尾崎秀実の「八紘一宇」 (二) 

<<   作成日時 : 2015/03/27 15:57   >>

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 戦後日本のぬるま湯に浸かってきた日本の共産主義者たちが、尾崎の転向文書とちゃんと向き合えずにきたのもむべなるかなという気がする。

 三原じゅん子氏は「この言葉(八紘一宇)が、戦前の日本で、他国への侵略を正当化する原理やスローガンとして使われた」とのご理解(誤理解)を示しているが、支那問題の専門家を自負していた尾崎はどういっているか。

一度、『尾崎秀実 ゾルゲ事件上申書』(岩波現代文庫)中の上申書(一)「三、大東亜戦争の進展と国体への反省」をじっくりと読んでみて欲しい。

 彼はまず、当時の東アジアの状況を次のように述べている。

「…膨大な地域と十億の巨大なる人口を擁する東亜は、わずかに日本一国を除いてこれ等列強の植民地ないしは半植民地たるの悲惨なる地位に沈淪するに到ったのであります。
 東亜の諸民族はこの現状に想到し、かつ事実悲惨を身をもって体験しつつあるので、何とかしてこの状態を脱せんものともがいてきたのであります。…」

 日本もまた、そのもがいてきた東亜諸民族のうちの一つであり、彼の目から見て東亜における民族解放闘争の中心題目は、英国の植民地である「印度の統一への熾烈なる要求」、「支那の反帝国主義民族闘争」の二つであったという。
 つまり、日本一国は明治維新以来の自助努力によりなんとか植民地化を免れてきたから、今の中心課題は、インドと支那の民族独立なのだ、ということである。日本・唐・天竺の三国ということで、日本の伝統的世界観がここにも受け継がれている。
 もちろん、独立を維持している日本こそが二国の独立を助けるべきとの立場に立っている。

 彼はそれを達成するための条件を二つ上げている。

「第一には東亜を現在のごとき奴隷的地位に陥入れている最大なる支柱英米を打倒するということ、第二には東亜がまず相倚ってこの目的のために統一的勢力となるということであります。」

 ところは現状はどうか。

 第一の条件に関して言えば、「英米の勢力はすでに余りに深く東亜に浸潤してい」て、「個々の国々がこれを排除せんとすることは、あたかも鼠が猫を追い払うことを議するにも等しい・・・」状態。

 第二の条件に関しては「東亜の諸国はあまりにばらばらであり、しかも近年には東亜の中心勢力たるべき日支両国が不幸なる抗争状態にある」。

 東亜は日本・支那・インドを中心に一致団結して、英米を中心とする西洋帝国主義列強に対抗すべきところ、民族も、人種も、言語も、宗教もバラバラであった。
 つまり、東亜の開放は限りなく不可能に近い状態であった。
 そこで、この難問の解決策として考えられたのが、東亜の共産化なのであろう。そして目的のために手段を選ばぬ共産主義勢力が奉じたのがスターリンの敗戦革命論であり、特に日本に対しては「天皇制(モナーキー)」の廃滅であった。
 しかし、暴力を手段とする国際共産主義運動は東亜の混乱を深刻化させるばかりで、分断統治[divide and conquer]を植民地統治のコツとする西洋列強にとって、必ずしも不利な状況を作ったわけではなかった。

 この不可能を可能に変えたのが、日本の対米英戦争の決起であった、と尾崎は感嘆の念を込めて言うのである。  

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