テーマ:小林秀雄

名著誕生の条件 (その弐)

 昭和四十三年に日本国内で発生した学生運動という騒乱の中で、小林秀雄とは別種の伝統の危機を感じて、名著を物した人物がいる。  漢字の碩学・白川静である。  この人もまた、小林同様、感性のずば抜けて鋭い文学者であった。  漢字の起源である「金文」「甲骨文」という碑文の研究に没頭していた彼が横目に見ていたのは、昭和四十三年暮れから…
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名著誕生の条件 (その壱)

 あらゆる政治制度、政策は手段に過ぎない。   「ペリクレスの、民主主義制度を名目に過ぎぬと見るのは造作のない事だ。それよりも、彼の考えを押し進めれば、あらゆる制度は名目に過ぎなくなる筈である。彼は、いろいろな制度を越えたところに、或は制度のあらゆる革新を不断に要求されているところに、そこだけに真の政治の現実的な秩序を見ていた、と言…
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王政復古の大号令

 本日十二月九日は、記念すべき、王政復古の大号令が煥発された日付である。慶応三年十二月九日、王政復古の大号令は煥発された。  もっとも、これは太陰暦によるもので、現在使用されている太陽暦に直せば、年が明けた正月三日ということになる。この政変の中心となった王政復古派の計画では、当初正月元旦が予定されていたが(この日、初めて正式に勅許…
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大東亜戦争開戦、七十年目の日

 本日は十二月八日。  大東亜戦争の開戦、パールハーバーの奇襲から、ちょうど七十年が経過した。    大東亜戦争をわが民族が経験した、必然にして、正真正銘の悲劇と観じていた小林秀雄は、終戦直後、次のように発言している。 「僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処した。それについて今は何の後悔もしていない。大…
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橋下旋風について「考えるヒント」 (その弐)

 前回は小林秀雄の『考えるヒント』(文春文庫)所収「プラトンの『国家』」から橋下旋風を考えるヒントを引用させていただいたが、今回は同書のそれに繋がる内容の随筆「プルターク英雄伝」からヒントを頂くことにしよう。  小林はこの随筆の中で、プラトン・ソクラテス研究の第一人者で哲学者の田中美知太郎から聞いた、歴史学者のアーノルド・トインビ…
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橋下旋風について「考えるヒント」 (その壱)

 十一月二十七日、橋下徹氏率いる維新の会が大阪府知事及び市長選で勝利した。  今回の選挙について別に大した関心を持っていたというわけではないが、ニュースを聞いて、ふと小林秀雄の随筆『考えるヒント』(文春文庫)を、それも特に第一巻を読み返したくなった。  読み返してみて、橋下氏について「考えるヒント」になると思われる文章を抜き…
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山本七平論

 山本七平氏は、自己の属する伝統を再把握し、自己の行動の規範を客観的に把握することで、自由に生きていると言えるとした。それがとりもなおさず、進歩的に生きていると言える状態であり、存亡の条件である。  では、山本氏は、日本人として、自己の属する伝統をどのように把握し、どのような規範を選択したといえるのか。  それは明確には言えない…
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