テーマ:明治維新

「かのやうに」神霊を祭るということ-日本人の本来的自己喪失(弐) 【『皇室と論語』(二十一)】

 かつて、西尾幹二氏が、日本の文明観、國體を次のように語っていました。  〔日本人は天皇を超える神を必要としている。  日本の文化は二重性があって、神仏信仰で、神と仏の両方があった。天皇を超える仏教という超越原理を持つ文化、言わば形而上の世界があって、この二重性が日本を豊かにしてきた。  これによって西欧文化を理解することがで…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

大日本帝国憲法と教育勅語の精神-大日本帝国における維新精神の継承(二) 【『皇室と論語』(十七)】

 維新精神の本来的回復運動の内、まずは大日本帝国憲法の制定作業を見ていきます。  国会開設の詔により、その基礎となる憲法が欽定により制定されることが決定すると、大久保の後継者としての地位を固めつつあった伊藤を責任者として「プロシヤ」型の憲法理論に立脚して制定作業が進められる事になります。スタッフには、「プロシヤ」型憲法理論に拠ることを…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

天皇親政をめぐる論争-大日本帝国における維新精神の継承(一) 【『皇室と論語』(十六)】

 「維新」という言葉は、詩経にある「周は旧邦なりと雖も、その命は維(こ)れ新たなり」に由来していて、革命とは異なります。あくまでも王朝政治の復古を表しますが、古色蒼然たるままの復古ということではありません。  当時の教養人の必読書の一つである『大学』は、上の詩経の言葉を引用して、次のように述べています。 「康誥」に曰く「克(よ)…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

西南戦争の真相-明治維新(五) 【『皇室と論語』(十五)】

西郷帰郷後の政府は迷走を重ねます。 政変の主目的たる江藤新平が佐賀の征韓派(彼らは民権派でもある。彼ら旧武士階級にとって、民権とは国民としての義務を行う権利であり、彼らは輿論を提議し、公議として定まった国策に参加する権利として征韓論を主張していた。)と島津久光を崇敬する島義勇を首領とする保守派が組んだ決起に参加すると、これを討…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

征韓論破裂の真相-明治維新(四) 【『皇室と論語』 (十四)】

話は遡りますが、廃藩置県の成功は、当時の内閣に自信を植え付け、勢いに乗った政治的飛躍、冒険的政策へと駆り立てます。本来なら、公議として熟さぬ内の廃藩置県断行でしたから、次は内政に力を注いで混乱の収拾、人心の鎮静化に努めるべきでしたが、国外に対しては西洋各国への条約予備交渉のための勅使および視察団派遣、国内に対しては彼らが条約改正の前提…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

廃藩置県の真相-明治維新(参) 【『皇室と論語』(十三)】

 かなり端折っておりますが、詳しくは拙著『十人の侍』をご参照いただくとして、先に話を進めます。  廃藩置県の必要性をいち早く認識し、これを提唱したのは木戸孝允でしたが、彼はまずその第一段階の改革として版籍奉還(版図戸籍の奉還)の実施を強く説き、大久保の同意を得て、長薩の藩主自らが率先垂範してこれを行うことで、大きな一歩を進めました。明…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

王政復古討幕の真相-明治維新(弐) 【『皇室と論語』(十二)】

 斉彬が自身の後継者と目していたのは、藩主就任に際して競争相手であった異母弟の久光でした。父斉興の正嫡で世子として届けられた斉彬が蘭学かぶれということで嫌われたのに対し、愛妾由羅の子として愛された久光でしたが、彼本人は学問好きで、藩主の地位に対する野心もなく、この兄を深く尊敬していました。一方で、斉彬の方も、彼の資質を見抜いて「志操方正…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

明治維新(壱)-島津斉彬 【『皇室と論語』(十一)】

 最近、明治維新の再評価が盛んで、維新運動そのものに懐疑を突きつけたり、否定する内容の本が盛んに喧伝されていますが、筆者はあまり興味がなく、読んでもいません。というのは、彼らの宣伝文句の多くに、現在の価値規範で断罪しよう、批判しよう、との執筆意図がありありで、当時の人々の立場に立った上で、事件を客観的に評価しようとの意志が感じられないか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

百五十年経ってますます明治維新が理解できなくなった日本人

 もう師走。  今年もあと少しですが、本年は明治維新百五十周年ということもあって、NHK大河ドラマが『西郷どん』であったり、明治維新を見直すと称して、否定する内容、今風に言えば「ディスる」ための本が多く出版され話題になりましたが、内容のモチーフを表しているはずの題名や帯の宣伝文句を見るだけで、皮相な内容が想像されるものばかりで、全く読…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

amazonオンデマンド版『西郷南洲翁遺訓と超近代的解説』の出版について

amazonのオンデマンドサービスで紙の書籍としての『西郷南洲翁遺訓と超近代的解説』の予約販売を開始しました。  発売日は三月十九日です。  南洲翁の遺訓を座右の銘として手元に置いておきたい方は是非ご購入下さい。 「明治維新より一五〇年。今も読み継がれる維新最大の功臣である南洲こと西郷隆盛の遺訓。   その偉大…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

もう少し、西部邁氏と明治維新の意義について

 明治維新の意義について、水戸学に基づく國體観を軸に自己の見解を述べましたが、反応がないようなので、独り言になりますが、もう少し補足してみたいと思います。  最近、一月に自決された西部邁氏の業績について気になって、たまに、以前から所有し、十分に読み込んでこなかった本を読み返してみることがあります。 その死、その死に方についてはど…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

明治維新の意義 (その弐) 倒幕は必要だったか

 次に第二の質問、すなわち幕末の幕府は公武合体に動いていたことから、長州、薩摩の倒幕は不必要だった(倒幕しなくて、我が国は近代化し生き残れた)という意見はどうか、とのご質問についての筆者の考えです。  歴史にイフはない、すなわち歴史の一回性を言うなら、それは無意味な設問ですが、歴史事件の評価をする上でイフという仮説を立てるのは有用…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

明治維新の意義 (その壱) 水戸学

 筆者にとって、日本の近現代史における明治維新の意義は自明であるので、あまり深く検討してきませんでしたが、読者の方より二つの質問をいただきましたので、これを機会に考えてみたいと思います。  まず第一の質問は、「水戸学は明治維新後政府に禁止されたように、革命を呼び起こす危険な思想であり学ぶべきではない、或いは排除するべきである。」と…
トラックバック:0
コメント:3

続きを読むread more

Kindle版『西郷南洲翁遺訓と超近代的解説』の出版

amazonの電子書籍 Kindle版『西郷南洲翁遺訓と超近代的解説』を出版しましたのでお知らせいたします。  当ブログで掲載した「西郷南洲翁遺訓解説」に加筆修正してまとめたものです。 内容紹介は次の通りです。 「明治維新より一五〇年。今も読み継がれる維新最大の功臣である南洲こと西郷隆盛の遺訓。  その偉大な…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「西郷南洲翁遺訓解説」を書き終えて

「西郷南洲翁遺訓」四十一条をようやく書き終えた。 まだ追加・補遺、その他和歌・漢詩・文書類など、日本人が遺訓とするに値するものは沢山あるが、一段落としておきたい。  筆者は解説を書きながら、なんとなく葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」をイメージしていた。北斎のあの芸術的完成度に比すべくもなく、何だこりゃ、むしろ漫画じゃねえのか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

天下後世までも信仰悦服せらるるものは… 【西郷南洲翁遺訓解説】 第三十七条

天下後世までも信仰悦服せらるるものは、ただこれ一箇(いっこ)の真誠なり。古より父の仇を討ちし人、その麗(か)ず挙げて数え難き中に、独り曾我の兄弟のみ、今に至りて児童婦女子までも知らざる者のあらざるは、衆に秀でて誠の篤き故なり。誠ならずして世に誉めらるるは僥倖の誉なり。誠篤ければたとえ当時知る人なくとも、後世必ず知己あるものなり。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

聖賢に成らんと欲する志なく… 【西郷南洲翁遺訓解説】 第三十六条

聖賢に成らんと欲する志なく、古人の事跡を見、とても企て及ばぬという様なる心ならば、戦に臨みて逃ぐるより猶卑怯なり。朱子も白刃を見て逃ぐる者はどうもならぬと云われたり。誠意を以て聖賢の書を読み、その処分せられたる心を身に体し、心に験する修行致さず、ただ、斯様の言、斯様の事と云うのみを知りたるとも、何の詮なきものなり。予、今日、人の論を聞く…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

作略は平日致さぬものぞ  【西郷南洲翁遺訓解説】 第三十四条

作略は平日致さぬものぞ。作略を以てやりたる事は、その迹を見れば、善からざること判然にして、必ず失体これあるなり。ただ戦に臨みて作略なくばあるべからず。しかし平日作略を用うれば、戦に臨みて作略は出来ぬものぞ。孔明は平日作略を致さぬゆえ、あの通り奇計を行われたるぞ。 予、かつて東京を引きし時、弟へ向かい、これまで少しも作略をやりたる事あら…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

過ちを改むるに、自ら過ったとさえ思い付かば… 【西郷南洲翁遺訓解説】 第二十七条

過ちを改むるに、自ら過ったとさえ思い付かば、それにて善し。その事をば棄て顧みず、直ちに一歩踏み出すべし。過ちを悔しく思い、取繕わんとて心配するは、譬えば茶碗を割り、その欠けを集め合せ見るも同じにて、詮もなきことなり。 (大意)過ちを改めるには、自ら過ったと気づきさえすればそれでよい。その事はいつまでもこだわらずに、棄てて顧みず…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

談、国事に及びし時… 【西郷南洲翁遺訓解説】 第十八条 ②

【遺訓第十八条】解説②「幕末の王政復古倒幕運動」  江戸時代の國體論の精髄ともいえる島津斉彬の、皇室を中心にした道理に基づく「和」の政治・政事は、島津久光や南洲翁によってそれぞれに継承された。ここで一言付け加えておかなければならないのは、現代の一般的日本人が「和」という言葉で連想することの内容は、実は「同」であって「和」ではないこ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

皇室の権威  思想問題としての開国、そして文明開化 (その二) 

江戸時代の皇室の権威回復現象についての政治学者・渡辺浩氏の見解。  しかし、何故、禁裏の権威が、いつの間にかそれほど上昇したのだろうか。  ①外国を意識するほど、皇統の連続が貴重に思えてくるという事情は確かにあった。無論、それを公言した②浅見絅斎などの儒学者や、③国学と水戸学の影響も大きい。④さらに、儒学的礼楽と平安の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

思想問題としての開国、そして文明開化 (その一)

  西洋諸国への「開国」は「外圧」によって強いられたものだ。従来、しばしばそう語られてきた。一時声高に「攘夷」を叫んで徳川政権を苦しめ、その後一転して「開国」を容認した明治新政府の指導者にとっても、それが自己正当化しやすい物語だったからであろう。しかし、それは、歴史の一面でしかない。「開港」「開国」は、ペリー来航の遥か以前から、強…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

いわゆる「征韓論」「遣韓大使派遣論」の正気

『西郷南洲遺訓解説』 第五回 『いわゆる「征韓論」「遣韓大使派遣論」の正気』を電子書籍「ブクログ」にて配信いたしました。 http://p.booklog.jp/users/yamatogokoro  前回解説した「正気」を字眼とする「征韓論」「遣韓大使派遣論」の解説です。  この問題は様々な解釈がなされてきましたが、…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

『西郷南洲遺訓解説』 正月分配信のお知らせ

『西郷南洲遺訓解説』  第三回 「韓退之『伯夷の頌』と驕り」 第四回 「南洲翁の正気」 配信いたしましたのでお知らせいたします。 http://p.booklog.jp/users/yamatogokoro 第三回は以前、このブログに掲載したものに加筆を施したもの。 第四回は、「正気」という言葉を字眼に、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

隠れた名著『大東亜戦争は、アメリカが悪い』(鈴木敏明著)英文翻訳の完成

 以前、当ブログにおいて、鈴木敏明氏の著作『大東亜戦争は、アメリカが悪い』の書評を数回に分けて連載したことがあった。  素晴らしい協力者を得て英文翻訳を完成されたとのことで、後で転載する「えんだんじのブログ」の翻訳の経緯の記事を読んで、『論語』の一節「徳、弧ならず、必ず隣あり」を連想した。  この英訳本が、英語圏において少しでも…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新年のご挨拶と 『西郷南洲伝』 第三回「慶喜の苦渋」配信のお知らせ

新年明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願い申し上げます。     『西郷南洲伝』「維新初政」編、第三回「慶喜の苦渋」を配信しましたことをお知らせ致します。  http://p.booklog.jp/users/yamatogokoro  今回は最後の将軍・徳川慶喜公について考えています。  彼には…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

安倍首相の歴史的使命

 16日の衆院議院総選挙で、自民党が単独過半数(241議席)を大幅に上回る293議席を獲得して政権与党に返り咲いた。公明党との連立で言えば、計323議席となり、参院で否決された法案の再可決を可能にする320議席(3分の2)以上を押さえたことになる。  自民党の 安倍晋三総裁は、来週の特別国会で第九十六代総理大臣に選出されることにな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『西郷南洲伝』「辞官納地か、それとも討薩か」配信のお知らせ

 『西郷南洲伝』「維新初政」編、「小御所会議」に続く第二回連載「辞官納地か、それとも討薩か」を配信いたしましたことをお知らせします。  配信が大幅に遅延いたしましたことをお詫び申し上げます。  http://p.booklog.jp/users/yamatogokoro  「辞官納地か、それとも討薩か」は、「小御所会…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

明治維新の日

 本日は「王政復古の大号令」が煥発され、その精神に則って「小御所会議」が開かれた、我々日本人が忘れてはならない一日である。 「日本を取り戻す」なら、大東亜戦争も含めて、こういった深い所に埋もれてしまった歴史認識が、掘り起こされて、その基盤とならなければ、取り戻したところで、それは足腰のしっかりと定まったものとはならないはずだ。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『西郷南洲伝』のブクログにおける公開遅延の件について

 十二月一日公開予定だった『西郷南洲伝』「維新初政編」本文の公開が大幅に遅れてご迷惑をおかけしております。 http://p.booklog.jp/users/yamatogokoro  ワードで作成した文章を貼り付けての、ブクログのプラットフォームにおける編集作業が、文字化けなどで、うまく行っていないことが原因です。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more