テーマ:西郷隆盛(南洲)

西郷隆盛と本居宣長『古事記伝』 (その二)

 つい最近のことですが、夜11時からのNHKの番組、爆笑問題がある分野の権威を訪ねて、話を聞くという『ニッポンの教養』という番組で、日本思想史の研究家子安宣邦という学者が出てきました。  この方は江戸時代の独創的な学者である伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長について多く書いている学者です。岩波文庫の本居宣長の著作の校註なども行っています。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

西郷隆盛と本居宣長『古事記伝』 (その一)

 鹿児島に西郷南洲顕彰館という施設があります。  西郷隆盛を中心とする西南戦争戦没者墓地と南洲神社に隣接して立てられた西郷隆盛を顕彰するための施設です。  そこには数多くの貴重な遺品が展示されているのですが、昨年末訪鹿の折、そこに西郷隆盛が読んだ本居宣長の『古事記伝』が展示されていたように記憶していました。  当時、本居宣長に対し…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

司馬遼太郎『翔ぶが如く』 (その三)「司馬と徳富蘇峰」

 さて徳富蘇峰の畢生の大著『近世日本国民史』が敗戦の余波を受けて、明治時代に入ったところで出版が滞ってしまったことはすでに触れました。  しかし思わぬことで、『近世日本国民史』は再刊されることになったのです。蘇峰没して二年後の昭和34年、彼の故郷を根拠にする熊本日々新聞社長の呼びかけが端緒となって、時事通信社から、未刊本を含む全百巻が…
トラックバック:0
コメント:1

続きを読むread more

司馬遼太郎『翔ぶが如く』 (その二) 「司馬と徳富蘇峰」

 前回司馬遼太郎の明治維新を題材にした歴史小説には種本があるということを書きましたが、その種本は、海音寺潮五郎が西郷隆盛について書くときにも種本になっていたふしがあります。海音寺だけでなく、戦後の歴史小説家の多くがその本を種本にしている、という説もあります。  それが徳富蘇峰の『近世日本国民史』です。  この本は日本の近代史に興味を…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

司馬遼太郎『翔ぶが如く』 (その一)「司馬と海音寺潮五郎」

 今回は司馬遼太郎について。  そもそも私は司馬遼太郎の歴史小説のファンで、そこから歴史に興味を持つようになりました。  最初にはまったのが、ご多分に漏れず、「竜馬がゆく」でした。この人気作を始め、著作の多く、五十冊以上を繰り返し、繰り返し読んだものです。  司馬遼太郎の作品は分かりやすく、歴史入門としては最適で、今でも彼の作品か…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

毛利敏彦「明治六年政変」(中公新書)

 前回中公新書より出たばかりの小川原正道著「西南戦争」について触れましたが、今回はそこでも触れた毛利敏彦「明治六年政変」について触れたいと思います。  この本も中公新書から出ていますが、出版されたのは1979年で、その内容は前年に有斐閣から出版された「明治六年政変の研究」が土台となっています。  この両書は歴史学の原則に則って、史料…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

小川原正道『西南戦争』(中公新書)

 すでに『(新)西郷南洲伝(下巻)』本編を書き終えていた十二月の末頃、中公新書より西南戦争を題材にした新書が出版されました。  年末年始にざっと目を通したのですが、その後書きによると西南戦争を題材にした新書の出版というのは何と50年ぶりなんだそうである。昨年西郷隆盛没後・西南戦争勃発百三十周年を記念して出版された西郷関係の書籍は、執筆…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

西郷隆盛のマント

 鹿児島市城山町の公園に高さ5メートルの西郷隆盛の銅像があります。12月7日は西郷隆盛の誕生日ですが、今年は西郷隆盛生誕180年の節目に当り、また銅像の建立から70年目ということもあって、市内の呉服店経営者らが世界最大の大島紬のマントを銅像に着せようとの計画を立てました。  しかしこれに市が難色を示し、本日四日正式に却下されることにな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

勝部真長『西郷隆盛』

 今回は、かつてPHPが出版した勝部真長氏の『西郷隆盛』(絶版)について。  勝部氏は、勝海舟に関する著作がいくつかあり、維新史には詳しい方ですが(「勝海舟全集」全23冊中13冊、角川文庫版『氷川清話』、岩波文庫『海舟座談』等の校訂・解説を行っている)、やはりその西郷観は勝海舟の西郷観に引きずられているように思えます。『海舟余波』を著…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

海音寺潮五郎長編史伝『西郷隆盛』

 今月、朝日新聞社から海音寺潮五郎氏の長編史伝『西郷隆盛』が復刊されました。  今月出版された分は第一、二巻で、毎月二巻ずつで、来年の三月に最終巻の第九巻が刊行されるそうです。  この本は、海音寺氏が、西郷隆盛の史伝に関しては、あとは天才の司馬(遼太郎)君に書いてもらおうと思っていると言っていたにもかかわらず、いざ司馬氏の『翔ぶが如…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

西郷隆盛を今問うことの意義(その2)

 西郷隆盛を今問うことの意義についての二回目(再録)です。    前回、今日本の本体を明らかにする必要性について述べました。それを明らかにするには、日本の歴史全般を見て行く必要がありますが、それをここで行う余裕はありません。しかし素直な眼で日本の歴史を眺めていけば、その中心には常に皇室の存在があることは明らかでしょう。この混迷の時代…
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more

西郷隆盛を今問うことの意義

 前回『王道のすすめ』を掲載することの目的について少し触れましたが、今西郷隆盛を問うことの意義について、以前書いた文章を再掲載しておきたいと思います。  南洲とは西郷隆盛の雅号です。西郷隆盛は奄美大島他二度の遠島の経験があり、自らの雅号を南洲(南のしま)としたのです。この人物は誰でもその名前を知り、上野の銅像でも親しまれていますが…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

西郷隆盛は征韓論者か、それとも遣韓使節論者か。

 西郷隆盛がいわゆる征韓論で下野した問題は、西郷ファンにとって厄介な問題なようで、いまだに征韓論者か、遣韓使節論であったかが問題になっているようです。  鹿児島県知事の伊藤祐一郎氏は教科書出版社に征韓論は誤りであり、遣韓論と訂正してほしいという要請をされたとのことです。これについては昨年の『敬天愛人』誌の巻頭言で、伊藤氏自身が書いてお…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

葦津珍彦 『永遠の維新者』

 最近、征韓論争を執筆する過程で、葦津珍彦の『永遠の維新者』を手に取る機会がありました。この表題となっている「永遠の維新者」とはもちろん西郷隆盛のことです。  南洲翁について調べたり、いろいろ書かれたものを読んだりしていて、この葦津珍彦という人を知る機会がなかったのですが、一年程前に初めてその名を知って、ずっと引っ掛かっていました。そ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新年のご挨拶と『王道のすすめ』掲載の予告

 遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。  今年は西郷南洲翁が明治十年九月二十四日に城山の露と消えてちょうど130年になります。これは西南戦争が勃発して130周年ということでもあります。  おそらくそういった活動をされる方も多く居られるのではないかと思いますが、この節目の年に、近代日本にとって未だ認識されることがないあ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

良いお年を

 ここ五回にわたって『敬天愛人』について述べてきましたが、王政復古後のこの思想の実践については、『新西郷南洲伝』の続編に譲りたいと思います。  今回は、ブログらしい記事にして、今年の最後を締めくくりたいと思います。  今年は『新西郷南洲伝』をようやく世に問うことができました。今のところ残念ながら、歯ごたえのある反応や批判があまり耳に…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

敬天愛人 (五)敬天愛人の応用

 「敬天愛人」の5回目です。  前回は「敬天愛人」という言葉で表される思想の意味するところについて触れました。今回は、その思想がどのように幕末の政治状況に適用されていったのかを見ていきたいと思います。でもあくまでも大雑把にです。私はこれを『新西郷南洲伝』の第三部で250ページ程度かけて叙述したくらいですから。  今回は王政復古までに…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

敬天愛人 (四)敬天愛人の意味するところ

 さて、今回は『敬天愛人』の4回目。西郷南洲翁の思想の中身を、『孟子』を援用しながら見て行きたいと思います。  翁は前回触れたように「万民の心が即ち天の心なれば、民心を一ようにそろえ立つれば、天意に随うと申すもの」といいましたが、なぜ万民の心が天の心なのでしょうか。本来民心は民心、天の心というものがあるとすれば、天の心は天の心で別のは…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

敬天愛人 (三)思想の由来

 「敬天愛人」に関する話題の3回目です。  今回は南洲翁が二度の島流しで目覚めた天命思想の中身について述べたいと思います。  翁が島で行った学問について、その手がかりとなる史料はいくつかありますが、最も重要な文書が「与人役大体」です。  この文書は、翁が沖永良部島へ罪人として島流しされた際、そこで翁に感化されて義兄弟の契りを結んだ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

敬天愛人 (二)敬天愛人の目覚め

 『敬天愛人』という思想についての二回目です。  前回、この言葉の出典について述べました。中村敬宇の著作からの借用ではないかという事です。しかし『敬天愛人』という言葉が他人からの借用であっても、南洲翁という人物が『敬天愛人』の思想の厳しき実践者であり、体現者であったことは、儒教思想についてよく知らない人でも感じることができるのではない…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

敬天愛人 (一)言葉の由来

 「敬天愛人」というホームページがあります。  西郷隆盛に魅せられた大阪出身の方が主催しているページで、当然中心のテーマは西郷隆盛ですが、幕末史や海音寺潮五郎の文学、鹿児島紀行など話題は豊富です。  そこの掲示板「吉之助の部屋」で「敬天愛人」という言葉が話題になりましたので、今回はこの「敬天愛人」という言葉について書きたいと思います…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

白川静博士の死を悼む(二)

 前回白川静博士の大志について述べました。東アジアの連帯のための漢字文化の復活です。そのための壮大な試みとしての白川漢字学でした。  残念ながら、白川博士が生きている間に、漢字文化復興による東アジアの連帯のための一歩を見るまでには到りませんでしたが、ここ日本国内においては、漢字ブームもあり、その業績が一般に認知されることによって、種子…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

白川静博士の死を悼む

 去る10月30日、漢字研究の第一人者である白川静博士がご逝去されました。とても残念です。心から哀悼の意を表したいと思います。  白川静博士は漢字の起源である甲骨文(亀の甲羅や骨に記された文字)や金文(青銅器に彫られた文字)を読みこなし、漢字文化の再興に尽力された碩学です。『字訓』『字統』『字通』の辞書を一人で書かれたことは有名です。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

西郷南洲翁の命日

 もうすぐ九月二十四日。  九月二十四日は西郷南洲翁の命日です。翁が城山で亡くなったのが明治十年のことでした。せめてこの日ぐらいは、翁が凄惨な戦争を戦ってまで、後世に伝えようとしたことについて問うようにしたいものです。  私はここ4,5年それを問い続けています。来年のこの日までには何とか、下巻を発刊して、その問いに対するある程度の答…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

西郷南洲の普遍主義

 今回は西郷南洲の普遍主義について、彼と同時代のクリスチャンで大英帝国軍人の「ハルツームのゴードン」という人物との対比を通じて考えて見たいと思います。  イザヤ・ベンダサンこと山本七平は、その著作において日本文化の特異性をさして日本教と言い、日本人を日本教徒と言いました。そして西郷南洲については、ユダヤ教の大ラビ、キリスト教のセイント…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

明治維新の原理

 今回は『新西郷南洲伝』の上巻をようやく世に問うたということで、これまで西郷南洲が日本の伝統を体現すると述べてきたにもかかわらず、具体的に言及しなかった部分について触れてみたいと思います。  西郷南洲が体現する伝統的規範はいろいろな側面がありますが、今回はその核ともなるべき部分について触れます。西郷南洲は一体何を規範として革命を行おう…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

発刊!『新西郷南洲伝』

 『新西郷南洲伝』がようやく発刊となりました。鹿児島の書店では七月二十六日から店頭に並んでいます。県外は地方小出版流通センターを通じての取り寄せということになりますが、アマゾンやセブンアンドワイなどのインターネット書店を通じて容易に入手できます。。ただジュンク堂、紀伊国屋などの大型書店には数冊ずつ配本されているとのことなので、そちらに直…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

愚論!坂本龍馬暗殺事件、薩摩藩黒幕説(その二)

 さて坂本龍馬暗殺事件についての2回目です。  前回は龍馬と西郷の人間関係から、西郷が黒幕という事はありえないことを述べましたが、今回は政治的側面からこれを考えて見たいと思います。  薩摩藩が暗殺事件の黒幕として考える場合、あげられる動機は次のようなものではないかと思います。西郷や大久保利通ら討幕派と称せられる人たちにとって、討幕運…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

愚論!坂本龍馬暗殺事件、薩摩藩黒幕説。(その一)

 今回は坂本龍馬暗殺事件について触れたいと思います。  この暗殺事件の犯人について薩摩藩黒幕説を唱える人がいます。しかもそれは結構根強く支持されているようです。私はこの論を主張する人の文を余り読んだことはないのですが、十年ほど前のNHKの番組で見たような記憶があります。それは確か、事件の黒幕として、西郷隆盛を匂わすような内容だったと記…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新西郷南洲伝(上)

 久々の記事更新です。最近は校正などに追われ、記事の更新を怠けておりました。  さて西郷隆盛の史伝ですが、高城(たき)書房寺尾社長のご協力のおかげで、早期出版に漕ぎ着けました。話が成立して原稿を送ったのが、確かゴールデンウィークの寸前ぐらいだったので、ほぼ3ヶ月で出版できる計算になります。今のところ予定では八月一日頃出版ですが、多少の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more