中国の侵略に喘ぐ、最小不幸の絶望国家

 衝撃的だった中国人船長の超法規的な釈放事件から1週間が経った。
 この事件で太平の眠りから薄目を開けた日本人は多かろうと思う。
 だが、まだ何も知らない人、寝ぼけた人が大半である。

「彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず」

 彼も知らず、己もよく知らないにもかかわらず、すでに状況はかなり切迫していることが、勘の鋭い人には、周辺国の不穏な動きでわかるだろう。

 この一週間で、厚いヴェールに包まれていた北朝鮮の後継問題は大きく動き、ロシアが中国と結んで北方領土問題で対日圧力を強め、中国自身は硬軟取り混ぜた巧妙な外交を展開している。アメリカの動きも怪しい。
 戦後、アメリカの占領によって敗戦国日本の分割という、分け前に預かれなかった戦勝国仲間の再分割の動きが始まっているのである。(日本の敗戦時、ロシア・北朝鮮・中華人民共和国は存在しなかったが、ロシアはソ連、中華人民共和国は中華民国の権利を勝手に継承しようとしている。戦勝国の義務は負わぬままに、だ。)

 この一週間で見えてきたことについて触れたい。

 まずは、司法の独立崩壊という、法治国家としてのあるまじき事件から。
 検察問題という内憂である。

 今回の那覇地検による中国船船長の釈放については、仙石官房長官が人事権の発動をちらつかせて、大林検事総長がこれに屈して、那覇地検の発表に至ったらしい。これについては、下の「アンカー」の青山繁晴氏の 解説を参考にして欲しい。
(なお、最近ユウチュウブにおける「アンカー」の映像は、著作権を理由に早々に削除されることが多いので、早めにご覧頂きたい。ユウチュウブをはじめ、ネット空間にはすでに中国の統制が及びつつある。)







 民主党が、政治主導の名の下、官僚組織に手を突っ込んで、これを支配下に置こうとしていることは周知のことだが、今回の件でも、検察を越権行為に追い込んで、外交の責任転嫁をした上で、その信用失墜、権威の崩壊を目論んでいる。
 左翼政権である菅政権が検察の横暴を言い立てるのは、これを支配下に置いて、国民統制の道具として利用したい腹があるからであるが、これは理念なき利権集団・民主党としては、国民の批判を封じなければ政権与党としてやっていけないという必然性からで、これがやがて強力な思想統制に及んでいくのは時間の問題である。

 そういった中、領土問題勃発の微妙なタイミングで、厚生労働省元局長村木厚子氏の裁判で、前田恒彦主任検事による不可解なフロッピー・ディスクのデータ改ざん事件が起きた。
 次の報道による「日本文化チャンネル桜」水島総氏の推理は説得力がある。
 


 前田主任検事は、小沢一郎氏の政治資金疑惑で、元公設第一秘書の大久保隆規氏の取調べに関与しただけでなく、以前は、保守政治家の西村慎吾氏の事件の取調べにも関与していた。この件でも被告は無罪を勝ち取っているが、証拠捏造の疑惑の人物である。
 西村氏は、今回の事件で、自身が巻き込まれた裁判の担当検事が彼であったことを知って、でたらめな情報をマスコミにリークした張本人はこいつだったのかと憤慨している。

 その人物が、今年二月にフロッピー・ディスクのデータ改竄について、「時限爆弾を仕掛けた」と同僚に語っていたという報道がある。
 彼が仕掛けたという時限爆弾は、果たして、村木氏に仕掛けられたものだったのかどうか。
 実は検察に仕掛けられたものだったのではなかろうか、というのは十分ありうる推理である。

 前田氏のことはよく知らないが(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E7%94%B0%E6%81%92%E5%BD%A6?redirect=no)、この問題は実は大きな流れで見ていくと、よく得心が行く。

 最近有罪が確定した鈴木宗男氏が、小沢氏に擦り寄って、検察の横暴を大声で喧伝していたことは周知のことだが、疑惑を追及されている小沢氏自身も、この検察を敵視し、口撃を加えてきた。
 散々、検察の不信を言い立てながら、一転、不起訴が確定すると、無罪が証明されたと喧伝するのは論理矛盾だが、そんなことお構いなしである。
 彼は国民はこんな程度で騙せると高をくくって愚弄しているのだ。
 不起訴とは、有罪を確定させるに足る十分な証拠が取り揃えられなかったというだけであって、必ずしも無罪というわけではないのだから、彼の言い分は論理のすり替えなのである。

 さて、このように、いまだ黒に近い灰色の小沢氏だが、そんな彼が党首選に出馬する前後に、伝書鳩、鳩山由紀夫前首相はなぜか北京とモスクワに飛んでいる。

 そして、以前から尖閣の帰属問題は「中国と議論して結論を見いだしてもらいたい」と言い、沖縄から米軍基地の一つを追い出そうとして、日米関係をガタガタにした鳩山氏は、今回、対中外交における菅政権の失点につけ込んで、「私だったら事件直後に、この問題をどうすべきか中国の温家宝首相と腹を割って話し合えた」と嘯き、自身が首相だったときに温首相との間にホットライン(直通電話)を構築していたことを明かし、「ホットラインは菅首相にも引き継がれている」と述べた。

 そしてさらに、今回、小沢氏の腹心の一人である細野豪志氏(あの山本モナとの路上キスで有名な)が、個人的な行動だと強調しながら訪中し、そのさなかの三十日、拘束されていたフジタの社員四人の内三人が釈放されたのである。
 実は、菅首相の温家宝首相への親書を携えての訪中であったとの報道がなされているが、それもおそらくは見せかけの情報工作であって、小沢氏の密使というのが本当のところだろう。いや、小沢一郎氏と中国共産党との間で打ち合わせ済みのやらせであると見た方が事実に近いだろう。

 毎日新聞の報道によれば、この三十日、小沢氏は、党代表選で彼を支持した複数の議員と面会し「(検察の判断で釈放したという説明は)違うだろう。あんなことやったら政府はないものになる」、「心配している。国民にもっと信頼される政権に育てていかないといけない」と語ったという。
 つまり、中国政府の強硬姿勢を軟化させることが出来るのは、自分だけだというアピールなのである。
 彼は、党首選では思惑通りに事が進まなく、菅直人氏に敗れはしたが、菅政権の政権運営がいずれ行き詰まることを見抜いていて、そこへ向けて、中国共産党の協力を得て、着々と準備を進めているのである。

 「敬天愛人」という言葉を愛する小沢氏は、このような間接的なかたちで、政治意思を報道させるやり方を好むが、これはシナ古典中屈指の権謀の書である『韓非子』に出てくる人心操縦術である。
 小沢氏は「敬天愛人」という言葉は知っていても、「敬天愛人」の精神は知らないのである。

 小沢氏が中国に朝貢して、易姓革命を行って、倭王として日本国民の上に君臨しようとしていることは、再三にわたって、このブログで触れてきた。
 彼の発言の指向するところはそこに行き着かざるを得ないからである。
 彼が韓国での講演で述べた江上波夫氏の騎馬民族征服王朝説支持はその伏線なのだ。
 彼が昨年12月に民主党員と経済人からなる大朝貢団を引き連れて、北京詣でを行い、胡錦涛国家主席に拝謁して、人民解放軍野戦軍司令官として(つまり臣下として)、日本国民を解放すると言ったのは、何もおべっかを使ったわけではない、ということなのである。


 彼を見ていると、室町時代の将軍足利義満を思わせる。
 足利義満は経済的利益のために、あるいは自己の権力基盤の強化のために、当時のシナを支配していた明朝に朝貢して、日本国王の称号を与えられた。
 そして、天皇の側室に手を出して、後円融上皇を自殺未遂に追い込み、挙句の果てに、朝廷の人事権を奪い、息子義嗣を後小松天皇の養子とし、最後は天皇を強制的に退位させ、皇位を乗っ取ろう、という陰謀を行っていたらしい。
 そのあと一歩というところで義満は病死し、皇統は奇跡的に守られたのであった。
 義満が皇位を簒奪しようとしていたことは歴史学会のほぼ認めるところとなっている。
 そこに中華思想が、易姓革命の思想が微妙に作用しているのだ。
 義満の中華思想受容が権力構築の単なる手段でなかったことは、彼が建てた壮大な北山第の建造物の一つ、鹿苑寺の舎利殿、いわゆる金閣寺の建築様式に現れている。
 この、いわゆる金閣寺と呼ばれる建物は、一層目は寝殿造り、二層目は武家造り、三層目は禅宗仏殿造りであった。
 要するに、一番下が公家、次が武家、三番目が、当時出家して、禅僧の資格であった義満を表している。つまり、彼の階層意識を物語っているのである。

 さらに、問題は、屋根の中央部にある鳳凰である。
 井沢元彦氏によれば、日本全国の数ある寺院のうち、屋根の上に鳳凰の飾りがある寺は、彼の知る限り、平等院鳳凰堂とこの金閣寺しかないそうである。

 鳳凰とは、シナの伝説上の生き物で、聖天子の出現に伴って現れる瑞兆であるとされている。
 孔子が「鳳凰至らず、河図(これも瑞兆)を出さず、吾已(や)んぬるかな」(『論語』「子罕」)と、聖天子が現れないことを嘆いたのは有名である。

 つまり、金閣寺は、あらゆる階層を超越した聖天子の出現を表現しているのであり、これがその建造者で、南北朝の動乱を治めた自身を指していることは明らかであろう。
 天子の位が皇室から足利氏に委譲される、すなわち易姓革命(天命が改まって天子の姓が易わること)が行われる、というのが義満の認識だったのである(皇室に姓はないが)。


 さて、話を戻すが、小沢氏もまた、中華思想に対する小中華思想を持っているのは、北京に朝貢して、自ら人民解放軍日本方面軍司令官を名乗ったことでも、皇室の慣習を破って、国家主席ではない習金平を強引に今上陛下に取り次いだことでも、また、騎馬民族征服王朝説を支持して、皇室が易姓革命によって日本の統治者としての正当性を担保している、との思想的文脈で捉えていることからも明らかだが、さらに今回の領土問題勃発でも、それが明らかにされた。

 中国人船長が逮捕される前日のことである。
 NHKの日曜討論に出演した、党首選さなかの小沢氏は、民主党党員・サポーターの保守層の支持を取り付ける意味もあったのだろう、まだ事件が起きているわけでもないのに、唐突に、尖閣諸島が日本固有の領土であると明言した。
 これは、彼が、直前に北京を訪れた伝書鳩を通じて、選挙戦を有利に進めるために、シナ政府が漁船による海上保安庁巡視船に対する衝突事件を起こすことを了解していた可能性を示唆している。
 つまり、領土問題を起こして、小沢氏でないと中国政府との問題を処理できない、と国民に思わせることで、選挙戦を有利にし、支持を回復しようとの筋書きを描いたということだ。
 これは中国共産党が、小沢氏を日本の支配者、すなわち倭王に据えようとしていることを意味している。
 もちろん、それは小沢氏の方が菅氏よりも、日本併合を目指す彼らにとって都合がいいと見ているからだが、もちろん、その見返りに小沢氏は大きな献上を行うつもりでいる。
 それが、尖閣諸島が日本固有の領土との発言に続いて、小沢氏が言った、尖閣諸島は琉球王国の支配地だったから、という発言に隠されているのである。

 実は尖閣諸島は琉球王国の版図であったためしはない。
 明治の琉球処分によって、琉球が正式に沖縄県となったのは、明治十二年のことである。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%96%E9%96%A3%E8%AB%B8%E5%B3%B6%E9%A0%98%E6%9C%89%E6%A8%A9%E5%95%8F%E9%A1%8C
 そして尖閣諸島が日本に正式に領有されたのは、明治三十三年のこと。
 尖閣の領有のことをいうなら、わざわざ琉球王国の事を持ち出すのはおかしいのである。

 これに対し、中国と台湾が、領有を主張し出したのは、埋蔵資源が確認された直後の一九七一年のことである。
 それをあえて琉球王国の、と持ち出したということは、清国に朝貢していた、すなわち沖縄が清朝の属国だったことを暗に言っているわけで、なかなか巧妙な政治的発言なのである。
 もちろん、琉球王国は、島津征伐以来、表向きは清朝に朝貢しながら、実効支配は島津氏が行っていたわけで、小沢氏としてはいくらでも日本人向けに言い訳は立つのである。

 ここで思い出していただきたいのは、中国共産党が、沖縄を独立させて、琉球共和国を作ったうえで、支配しようとの戦略を立てていることである。
 下の討論番組を見ていただきたいが、西村慎吾氏のブログによると、満州人で日本に帰化した鳴霞氏が発掘した「中国共産党の沖縄属領化工作文書」という文書には次のようにあるそうである。
 中国共産党は「琉球共和国の創設」を仕組み、沖縄を日本から分離させてから奪う。
 すでに「琉球臨時憲法九条(案)」も作っている。
 それによると、共和国の範囲は、第四条で「琉球共和国は、三つの主要な州である奄美州、沖縄州そして八重山州と琉球群島の全て」からなるそうだ。

 下の討論は、日中関係に関する大変貴重な情報が豊富に紹介されている。鳴霞氏も出演されている。二の3分20秒あたりから鳴霞氏が、中国共産党による琉球独立の戦略とその準備について述べている。

 



 さて、こうした事を踏まえておけば、小中華主義を受け入れた小沢氏の書いた筋書きは明確に見えてくる。
 尖閣諸島を小沢一派とシナとで仕組んだ国難による、国内の一致協力体制-権力の集中-独裁 である。
 これは反日を煽って、中国共産党や北朝鮮が独裁政権を維持するやり方だが、日本国内の例で言えば、オウム真理教などが採ったやり方である。

 この流れのなかで当然次のようなことが起きてくる。

 「沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を受け、民主党の原口一博前総務相は26日、政府の対応を検証するため、超党派議員による『国家主権を守るために行動する議員連盟』(仮称)を近く発足させる意向を固め、まず、民主党議員への参加呼びかけを始めた。
 野党の議員にも参加を求める。議連では、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突したビデオ映像など、証拠の開示を政府に求めていく考えだ。」(読売新聞ニュース)

 10月1日の設立総会では、33人の衆参両院議員が参加し、共同座長には、原口氏と自民党の岩屋毅氏が選出されたそうだ。
 原口氏はいわば小沢チルドレンの長兄的存在の人間である。 
 これはおそらくは、小沢氏のねじれ国会乗り切りの秘策であり、これをてこに、自民党を切りくずそうとの策略だろう。国難なら自民党議員も転びやすくなる。
 そこに権力争いはあっても、国民の利益、国防という発想は感じられないのである。

 そうした流れの中で、独裁権力構築の策略として、前田恒彦検事の時限爆弾が炸裂した。
 要するに爆弾を仕掛けた実行犯は前田検事だったのかもしれないが、それをそそのかし、タイミングを計ってスイッチを入れたのは、小沢氏と中国共産党だったということだ。

 もちろん、我々が気をつけなければならないことは、これらの策略に乗って、検察批判に加担することではなく、領土問題と、小沢氏、中国共産党の動きに気をつけるということである。

 これがこの一週間で見えてきたことである。


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