西郷隆盛の命日

 人皆、事を成すに、己が事はこの位の事は宜しきものと恕(ゆる)し、人の事は責むるなり。総ベて己に恕するだけは人をも恕し、人を責むるだけは己をも責むべし。畢竟、恕は人に帰し、責は己に帰すべし。因りて人を容れ、人に容れられては済まぬものなり。


 
 忠孝は根本なるも、これを行うところを究むれば、天を敬し人を愛すは第一の目的なり。道は天理自然のもの、天を敬するは本なり。総べて人は人を相手にせず、己を尽して天地を目的とするものなれば、必ず人を咎めず、己、誠の足らざるを尋ぬべし。


 (以上、明治八年九月訓戒より)


 
 およそ事を作(な)すには須らく天に事(つか)うるの心あるを要すべし。人に示すの念あるを要せず。


 一部の歴史、皆形跡を伝えて、情実あるいは伝わらず。
 史を読む者は須らく形跡に就いて以て情実を討(たず)ね出す事を要すべし。

 博聞強記は聡明の横なり。
 精義、神に入るは聡明の竪(たて)なり。

 
 心理はこれ竪の工夫なり。
 博覧はこれ横の工夫なり。
 竪の工夫はすなわち深入自得せよ。
 横の工夫はすなわち浅易汎濫なれ。


 孟子、読書を以て尚友となす。故に経籍を読む、すなわちこれ厳師・父兄の訓を聴くなり。
 史子を読む、またすなわち名君・賢相・英雄・豪傑と相周旋するなり。
 それ、その心を清明にして、以てこれに対越せざるべけんや。


 身に老少ありて、心に老少なし。
 気に老少ありて、理に老少なし。
 須らく能く老少なきの心を執って、以て老少なきの理を体すべし。


(以上、手抄言志録より)



 道を同じうし、義相協(かな)ふを以て暗に集合せり。故に此理を益研究して、道義に於いては一身を顧みず、必ず踏み行うべき事。

 王を尊び、民を憐れむは学問の本旨。然らば此天理を極め、人民の義務にのぞみては一向難に当り、一同の義を立つべき事。


(以上、私学校綱領)



 おもはじな、思いし事はたがふぞと、おもひ捨てゝも、思ふはかなさ


 君がため、深き海原、ゆく舟を、あらくなふきそ、しなとへの神


 君のため、いそしみつくせ、国のため、こゝろはけめよ、武夫(もののふ)の道


 いと嬉し、直毘の神の、幸(ちは)いかも、ひとやのうちに、真こゝろは立つ


 みだれたる、糸のすぢすぢ、繰返し、いつしか解る、御世となりけり
 

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