櫻井よしこ氏のTPP支持と青木直人氏の懐疑

「 冷静な思考でTPPを国益に繋げよ 」
『週刊新潮』 2011年12月15日号
日本ルネッサンス 第489回

http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2011/12/15/%e3%80%8c%e3%80%80%e5%86%b7%e9%9d%99%e3%81%aa%e6%80%9d%e8%80%83%e3%81%a7tpp%e3%82%92%e5%9b%bd%e7%9b%8a%e3%81%ab%e7%b9%8b%e3%81%92%e3%82%88%e3%80%80%e3%80%8d/


 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関して、「TPP賛成派はバカか売国奴」(『WiLL』2012年1月号)などと、強烈な見出しが目につく。書籍の題名にも「間違いだらけ」「食い物にされる」「詐欺だ」などの言葉が躍る。

 日本の国益を考えた憂国の想いゆえにこうした表現がなされるのであろう。しかし日本はいま大事な局面に立っている。事実に基づいて冷静すぎるほど冷静に考えなければ、本当に国益を損ねる結果に、自ら落ち込んでしまいかねない。

 TPP反対論で目立つのは「TPPは米国の陰謀」で日本市場を奪おうとしているとの主張だ。昨年、横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、オバマ大統領が14年までの5年間に輸出を倍増すると語ったことを以て、その目的達成のためにも、米国は日本の市場を席巻しようとしているというわけだ。

 だが、TPPで、日本を一方的に席巻し、食い物にするようなルールがどうして生まれるのか。ルールは米国だけの考えで決められるのではない。多国間の交渉で決定されるのである。交渉はまさに各国の利害をかけた戦いであり、どれほど米国の影響力が強くとも、交渉の過程で相互の利害を勘案した着地点が構築されていくものだ。

 それでも米国が独断専行的に決めようとすると仮定しよう。諸国は米国の専横を嫌って、ASEANに日中韓(ASEAN+3)、或いはさらに豪州、ニュージーランド、インドを加えたASEAN+6などにシフトすることを考えるだろう。

 事実、中国は日本のTPP交渉参加に焦って、これまで応じようとしなかった日中韓、或いはASEAN+3などの交渉について、俄に積極的になった。

 多国間交渉の長所はひとつの強国の専横が通用しないことだ。だからこそ、日本も参加して、交渉の場で国益を守るためのルールを提案することが大事なのだ。


●米国にむしり取られる?

 TPPに参加したら、一体どんな結論をのまされるかわからないと心配する声もある。けれど、結論、つまり着地点が最初から見える交渉などあまりないはずだ。交渉とはまさに勝ち取っていくものだからである。

 日本はTPPのルールによって米国にむしり取られると無闇に恐れる人々は以下のことを忘れないでほしい。TPPのルールは加盟国すべてに適用されるのである。米国が日本をむしり取るというのがどんなルールを指しているかは定かではないが、その同じルールを日本が米国に対しても使うことが出来るのであるから、日本だけが一方的に攻め込まれ、むしり取られるというのは考えにくいのではないか。

 日本と豪州が中心になって1989年に創ったAPECが、2020年には実現したいと目指しているのがアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)である。TPPはわが国が大目標として決定済みのFTAAPを実現する道のひとつなのである。わが国も重要な役割を担っているAPECでFTAAPという大目標を決めたことには殆どなんの恐れも批判もなかった。そこへのひとつの道としてのTPPになぜこんなに激しく反応するのか、私には理解し難い。

 前述の輸出倍増を実現するのに、米国が日本市場を席巻するという主張も合理的とは思えない。現在、米国の最大の輸出先はカナダで、全輸出額の19%を占める。メキシコが2位で13%、中国が7%で続き、その後に第4位の日本が5%を占めている。

 TPP参加を以前から表明してきたニュージーランド、チリ、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、ペルー、マレーシア、豪州などに比べれば、日本の比重はたしかに非常に大きい。しかし、米国全体の輸出を5年間で倍増するためにたった5%のシェアでしかないわが国に狙いを定め、そこだけで全体額の倍増を目指すなどという考えは成り立ちようがない。

 加えて米国の日本向け輸出の大半は工業製品である。関税は2・5%から3%程度とすでに相当低い。TPPで関税ゼロになったとしても、米国製品の優位性が飛躍的に高まって日本市場に米国の工業製品が怒濤の如く流入する事態は考えにくいのである。

 米国の対日輸出の内、約18%が農産物及び食料品で、最大の輸出品目は穀物である。しかしトウモロコシなどはすでに関税ゼロで、TPP如何に拘わらず、影響は少ないと思われる。


●「TPP研究会報告書」

 一方、牛肉の関税は高く、撤廃されればたしかに影響を受けるだろう。しかし、そのときでさえ、日本の高品質の牛肉も関税なしで輸出出来ることを忘れてはならない。ルールは必ず相互に適用されるのだ。特定の国が一人勝ちするルールが生まれるわけではない。だからこそ、米国の酪農業界は豪州やニュージーランドの輸出攻勢を恐れてTPPに反対している。砂糖業界も同様に強い反対を表明しており、TPPの交渉で米国が砂糖を関税撤廃の例外品目にしようとすると見られているのは周知のとおりだ。

 ISDSについても厳しい批判と激しい反発がある。これはInvestor State Dispute Settlementの略で、投資家が投資先国家の政策によって被害を受けた場合、投資先国を訴えることが出来るという紛争処理条項だ。

 ISDSに関して、分かり易く、しかも事実関係を踏まえて説明しているのが、キヤノングローバル戦略研究所での議論をまとめた「TPP研究会報告書」ではないだろうか。その34頁から36頁にかけての説明をざっと紹介する。

・ISDSに抵触するとして国が訴えられるのは、いきなり企業の資産を国有化するのと同じような「相当な略奪行為」に対してである。

・TPP反対論者が挙げるメタルクラッド事件は、ごみ収集を手がけていた米企業にメキシコ政府が訴えられ敗訴した事例である。メキシコ政府は明らかに外資企業に対して恣意的または差別的扱いを行っていた。

・カナダ政府が米国燃料メーカーに訴えられた事例は、規制が外資企業に一方的負担を課すものだった。同件は米企業との問題以前に、その一方的規制と国内手続きの違反とによって、カナダ政府が自国の州政府に訴えられて敗訴したケースだった。

 つまり、外国企業が投資先国を訴えることが出来るのは、外国企業を狙い撃ちした明らかに不当な措置をとった場合に限られるというのだ。このようなルールであれば、たとえば、中国がTPPに入ってきた暁には、中国の日本企業に対する不当な政策や措置を、日本企業は訴えることが出来るのであり、日本にとって大いに喜ぶべきことである。

いま、本当に冷静に考えよう。



「野田首相の基本的方針は正しい 価値観を掲げて総選挙に挑め 」

『週刊ダイヤモンド』   2012年1月14日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 919

http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2012/01/14/%e3%80%8c%e3%80%80%e9%87%8e%e7%94%b0%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%ae%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e7%9a%84%e6%96%b9%e9%87%9d%e3%81%af%e6%ad%a3%e3%81%97%e3%81%84%e3%80%80%e4%be%a1%e5%80%a4%e8%a6%b3%e3%82%92%e6%8e%b2/


 年明け、新聞が総選挙近しとして立候補者および選挙区動向を特集し始めた。4日の年頭会見で、税と社会保障の一体改革を最重要課題とし、消費税の増税法案提出にこだわる野田佳彦首相の前途を、各紙は「非常に困難」と分析し、解散総選挙を予測する。現状は確かにそうなのであろう。そこで、就任以来4ヵ月間の、野田首相の足跡を見てみたい。

 福島県をはじめとする東日本大震災の被災地に行けば、民主党政権の無能に強い憤りを覚えるのは確かだ。事業仕分けの空疎さをはじめ、野田民主党の出来ていない点を書けばかなり書ける。だが、それらは首相ひとりの責任ではなく、価値観の異なる人びとの寄り合い所帯で党綱領さえ持てない政党であることの結果であろう。

 他方、この4ヵ月、首相が自らの意思で実行したことには少なからぬ意味と意義がある。まず昨年11月の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の決断である。国内および党内の強い反対を覚悟のうえで決断したことの意味は大きい。事実、首相がTPP参加に踏み込んだ途端、中国は従来否定してきた日中韓FTA交渉に積極的になった。日本はTPPも日中韓FTAも同時進行で取り組めばよい。双方に足場を持つことは日本の立場を強めこそすれ弱めることはない。また日米関係の強化で、中国に真の意味での市場開放や国際法遵守を促し、中国の独裁的本質を変化に導くことも可能になる。

 首相の次の功績は、昨年12月の武器輸出三原則の緩和である。同三原則は(1)共産圏諸国、(2)国連決議で武器輸出が禁止された国、(3)国際紛争当事国には武器は供与しないという内容だったが、三木武夫首相が1976年にいっさいの武器輸出禁止を国会答弁して以来、日本の防衛産業は縮小し、技術開発も妨げられ今日に至る。三原則をもともとの意味に戻すべきだとの議論は常にあったが、自民党は三原則緩和に踏み切れず、14回も官房長官談話のかたちで例外規定を設けてきた。

 野田首相は、国際紛争の助長は回避するとの基本を守りながら三原則を緩和し、武器・装備の国際共同開発・生産は「日本の安全保障に資する場合」に可能とした。自民党が出来なかったことを成し遂げたのである。

 もう一点、野田政権は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の設置法改正案を1月24日召集予定の通常国会に提出する予定だ。日本の宇宙開発は69年の国会決議で「平和目的に限る」として非軍事的目的に限られてきた。

 しかし、北朝鮮の核保有や中国の軍拡で情勢が一変するなか、「わが国の安全保障に資するよう行われなければならない」との規程を盛り込み、平和目的に限定した条項を削除する方針だ。

 一連の改正は、日本の国益に資するためである。国益に基づき、国民への当然の責務として、あるいは国際社会における当然の権利として、どの国も備えている国防能力の基盤を野田政権は構築し始めたのだ。「平和」は与えられるものではなく、自らの手でつくり、守っていくものだという国家としての自己責任と自立の精神の表現でもある。

 年末に中国とインドを訪問した野田首相は、大事なポイントは押さえたのではないか。確かに日中関係が大きく前進したわけではない。しかし、今はこれでよいのだ。他方、本来の戦略的パートナーであるべきインドとは幅広くかつ中身のある外交を行った。これこそ重要な成果だ。

 こうして見ると野田首相の基本的方針は正しいのである。説明不足でわかりにくい点は多いが、冷静に見れば、野田首相は正しく動き始めたと、私は思う。だからこそ、国会で行き詰まるなら、自らの価値観を掲げて総選挙に打って出よ。その場合大事なことは、民主党の分裂を恐れないだけでなく、自民党をも割る心づもりで準備をすることだ。



 次は、櫻井氏の展開するTPP推進論に対する青木直人氏の懐疑。


櫻井よしこさんへ

2012年1月20日 22:37 青木直人

http://aoki.trycomp.com/2012/01/post-354.html

 以下の文章はNLCの会員向けに不定期配信している「NLC通信」(1月19日号)に載せた「櫻井よしこさんへの疑問」を転載したものです。思うところがあり、今回は例外的にブログに掲載させていただきました。

 産経新聞に掲載された櫻井よしこさんの発言を読んだ。(「野田総理に申す 党内融和の呪縛を脱せよ」1月12日)。
 最近、彼女は様々なところから批判や中傷を受けているためか、これまでになく、感情的な物言いが感じられた。
 櫻井さんは日本の女性らしさをもった言論人であり、保守のホープと言ってもいい存在である。
 それでいて、自分の口から明らかにされたことはないが、北朝鮮による日本人拉致や中国の人権問題などに熱心に取り組んでいるさまざまな諸団体(その多くは財政基盤の貧弱な小さな組織である)に自腹を切って少なくないカンパをたびたび行っている方でもある。
 彼女のおかげでどれほど多くの弱小団体が活動を続けることが出来ているのか、私は当事者から直接そうした事実を聞かされている。
 高い、高いと批判される彼女の講演料はこうしたつかわれ方もしているのである。またフリーランスの言論人が国家基本問題研究所を立ち上げ、政策提言も実行しているとなると、お金はいくらあっても足りないはずだ。彼女の講演料が高いのは人が集まるからでもある。だから高くても、主催者側も赤字にならないですむ。誰に迷惑をかけているわけではない。それは櫻井よしこさんの実力なのである。
 だから、私は根拠の乏しい中傷や感情的なレッテル貼りはしたくないし、不適切な批判をするつもりはない。
 だが、それでも言わなければならないことはある。

●ISD条項とは
新聞記事のなかで、私が看過できないと思ったのはこの部分である。
「TPPに関しては、ISD条項(投資家と国家間の紛争条項)の例に見られるように、根拠のあやしい反対論が渦巻く。日本は中国、やタイなど24カ国とすでにISD条項を締結済みだ」
「従来のISDを不問にしてTPPのISDだけを問題視して、日本が滅ぼされるかのように主張するのは支離滅裂である。この種の感情的反発の中で、理性を保って参加を決めた野田首相を評価したい」。
そうだろうか。私の疑問はそれでもやはりISD条項にある。
なぜならそこには、紛争の際、これを裁くのが世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターとなっているからだ。
問題はいくつかある。紛争の判決を下すのはセンターの仲裁人なのだが、審理は非公開であり、一度下った判定に不服の申し立てはできない。情報透明度も高いとは言えない。
まだある。それ以上に指摘しておかなければならないのが世界銀行という国際機関の実態である。

●仲裁機関・世界銀行の正体
世界銀行は「米国の殖民地」とも呼ばれるほど米国政府と深い関係にある国際金融援助団体である。
同行は第二次大戦後、米国のイニシアティブで誕生した。当時も今も、最も出資金の多い国は米国である。そればかりか、トップの総裁人事も歴代の米国の財務省長官が任命する慣わしになっている。ネットで検索するだけで、これまで一人の例外もなく、総裁がすべて米国人である事実が確認できるはずだ。
歴代の総裁で日本でも有名な人物は、ジョン・マックロイ、ロバート・マクナマラ(ケネディ政権の国防長官・ベトナム戦争に関与)、ポール・ウォルフォウイッツ(ブッシュ政権国防副長官・ネオコン)らである。とはいえ、特定の国がこうした国際金融機関のトップ人事を仕切るケースは珍しくない。IMFは欧州が、アジア開発銀行は日本が握っている。

さて、話をISD条項に戻す。

 かりに日本がTPPに参加し、米国企業との間に紛争が起きた場合、解決は米国政府がカネもヒトも独占している世界銀行傘下の調停機関(投資紛争解決センター)に持ち込まれ、審理は非公開のまま、「判決」が下され、一方的にそれに拘束されることになるのである。
 米国財務省と密接不可分な世界銀行。
 あなたは彼らの「公平さ」を信じることが出来るのだろうか。問題の根本はここにある。
 オバマ政権は貿易を通じた経済再建に必死である。TPPの背景にあるのはそうした国内事情である。
 経済愛国主義はいまや米国の国是となって、官民を覆い尽くす。

●世銀に影響力を持ち始めた中国
世銀について書きたいことはまだある。つぎはその現状について、である。
現在の総裁はロバート・ゼーリック。ブッシュ政権当時の国務副長官である。彼は過去、米国有数の投資会社ゴールドマンサックスの幹部を務めたこともある。
ゼーリック氏は中国を「責任あるステークホルダー」(利害共有者)と呼ぶほど、その対中融和姿勢は強い。その彼が総裁就任時に、世界銀行のNO2(副総裁)に任命したのが、中国の胡錦濤国家主席のブレーンである林毅夫北京大学教授だった(二人の任期は今年までだが、次期総裁にヒラリークリントン国務長官の名前が挙がったこともある。本人は否定)。
なんのことはない、今の世界銀行のトップは米中2大国による「G2」体制そのものなのである。

●米中金融「同盟」
繰り返す。米国財務省と世界銀行はツーツーの関係にある。ブッシュ政権末期、当時のポールソン財務長官は中国政府に対して「米中経済対話」機関の設立を提唱し、米中経済「同盟」関係を築きつつ、同時に、財務省の影響下にある世界銀行においても、中国と良好な関係を樹立せんとして、先に書いたようなゼーリック・林体制を誕生させたのであった。
ここで気がかりなことがある。世銀における日本の影響力はどうなのかという点である。最近までは米国と並ぶ財政的影響力を誇っていた日本だが、近年は出資額も半減し、発言力は低下するばかり。他方、それに対し、中国は出資を本格化、数年前には従来の「借りる側」から「貸す側」に立場を代え、行内でその発言力を強めつつある。

●米国の経済覇権を直視せよ!
櫻井さんは言う。「従来のISDは不問にして、TPPのISD条項を問題にするのはおかしい」と。
おかしくはないと私は思う。
従来は日本が米国を含むTPPに加盟していなかったため、米国との間に紛争が発生することはなく、そのため、必然的に世界銀行の下部団体に問題の処理を依頼する必要がなかっただけなのだ。

 再度指摘しておきたい。日本がTPPに参加する。米国企業は日本の不当な商習慣を世界銀行下の「裁判所」に訴える。だが、ここで公平な裁きが行われうるのかどうか。
 ほかならぬその世界銀行の人事と予算を握っているのは経済ビジネス分野では日本の「敵国」たる米国の財務省なのである。
 これが事実のすべてである。
 私たちには今こそ、世界と時代がネオ帝国主義化しつつあるという醒めた認識が必要なのである。
 以上。

参考資料
●NLC VLO139(2012年1月12日配信)
米中金融「同盟」のキーパーソン・王岐山
~次期首相に急浮上した「赤い資本家」の正体

●NLC VOL12(2009年5月28日配信)
もうひとつの米中「同盟」世界銀行
~すでに首脳はG2体制へ




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