西郷隆盛

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zoom RSS 江戸時代の学問の大河

<<   作成日時 : 2016/05/14 17:33   >>

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昨年末に更新した記事「ニーチェが登った階段」に次のように書いた。


「しかし、われわれにとって、あちらより、こちらの階段のほうが重要である。
 遠くに霞む山々へと続く尾根に築かれた、あるいはこれから築かれようとしている階段である。
 これはおのおのが自分の足で歩いて築くほかない階段であるが、われわれはあくまでも歩いて築く側であって、階段になってはいけない。それが私がニーチェ体験を通じて再確認したことである。」

 
 その後、しばらくこのブログの更新をしていなかったが、何もしていなかったわけではない。
記事に書いたように、自らの足でこちらの階段のある部分を歩いてみたのである。

ある部分とは明治維新に至る江戸期の古典再生運動(ルネッサンス)のことである。当時の言葉で言えば、「復古」と言い換えることができる思想運動。これが幕末「王政復古」運動となって、日本の近代文明発展の礎となったが一般の人にはほとんど知られていないだろう。

それらは、皇室に綿々と引き継がれてきたある種の伝統が前提条件としてあったが、あくまでも草莽の運動と結びつくことで再生に向けて堅固に築き上げられていったのであった。
 その運動を俯瞰する内容の書籍はこれまでいくつか読んできた。
 例えば、古いところでは、徳富蘇峰『近世日本国民史』などは膨大だがいいテキストとなろうし、和辻哲郎『尊王思想の伝統』『日本倫理思想史』なども俯瞰するにはいい内容だろう。戦後で言えば、山本七平『現人神の創作者たち』、小堀圭一郎『日本に於ける理性の伝統』、西尾幹二『江戸のダイナミズム』、渡辺浩『日本政治思想史[17〜19世紀]』などもよい。小林秀雄も晩年の関心はそこに向かっていて、『考えるヒント』の中心となる内容や大著『本居宣長』などはそこから生まれたものだ。若い論客では中野剛志『日本思想史新論』も同じ関心から生まれたものといっていいだろう。


 それぞれ優れた著作だと思うが、モチーフの違いもあって、読み込むうちにどうしても飽き足らなく感じるようになってくる。そこでいよいよ自分で歩いてみる必要に迫られたわけだが、江戸時代というのは約二百五十年の長きにわたる太平の真っ只中で、諸子百家が群がり起こった時代であって、すべてを踏破すればそれこそ生涯をかけて取り組まなければならなくなるほど内容は豊かだ。
 今、試しに岩波書店の日本思想大系シリーズの目録を見てみると、大体「28 藤原惺窩 林羅山」から「56 幕末政治論集」までの29巻の広範囲にわたっている。しかも、ここで扱われている思想家の全著作のうち、ほんの一部が代表作として、ここに収められているに過ぎない。さらに、ここに収められていない思想家もいる上、著作を遺さなかった活動家、政治家を含めると膨大になってしまう。例えば、学問を好んだ江戸時代の創業者徳川家康、「犬公方」で知られる学者将軍徳川綱吉、異学の禁制を布いた朱子学者松平定信などは、社会に及ぼした影響は絶大であったが、当然の事ながらそこから漏れている。また吉田松陰は扱われているが、西郷隆盛など維新の功臣の多くは扱われていない。


 私は旧秩序が徹底崩壊した戦国時代を一つの区切りと見て、ルネッサンスの源流を信長に見ているのだが、これについてはすでに書いたことがある。安土城最上階に描かれていた狩野永徳の絵がそれらを象徴的に表している。家康についてもすでに書いた。

「織田信長の天道思想」           【http://saigou.at.webry.info/201305/article_3.html
 
「この人を見よ!織田信長の正気と狂気」【http://saigou.at.webry.info/201305/article_4.html

「豊臣秀吉の天才」              【http://saigou.at.webry.info/201306/article_1.html

「徳川家康と天道」              【http://saigou.at.webry.info/201306/article_2.html

「天下分け目の関ヶ原」           【http://saigou.at.webry.info/201306/article_3.html

「大坂の陣」                  【http://saigou.at.webry.info/201306/article_4.html

「中庸および湯武放伐論」         【http://saigou.at.webry.info/201307/article_1.html


 
 最後の論考は家康の天下統治の着想についての考察である。

 そこから河がどのように生まれ、どのように大河に成長して行ったかを、前掲の書物を手がかりに、数ヶ月掛けて、学問の水脈をその源流から下って、大河の素描を描いてみたのであるが、順次、記事としてアップしていきたい。

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